6月17日の夜遅く、父親が永眠しました。
昔から胃癌や大腸癌を患い乗り越えてきたのですが、4年前に発覚した食道癌のダメージがとても大きく、入退院を繰り返しており、今年初めに骨転移がみつかり・・・春の終わり頃に余命半年との宣告を受けました。

17日のお昼前に病院から連絡を受け、まだ意識のあるうちに家族みんなで会うことができました。コロナで入院中の面会禁止だったから、久しぶりの再会がこんな姿だなんてほんとうに悔しい。もっと家族と会えていたら、もうちょっと長く居てくれたかもしれない。
誰にも会えなくて退屈で寂しくて、お母さんのところに早く行こうって急いじゃったのかな・・・もっと伝えたいことたくさんあったな・・・色んなことを思う

告別式は24日、身内だけでささやかに
お葬式の感想でこんなこと言うのはどうかなと思うんだけど、面白いお式になりました

父は無宗派のため僧侶は無し、お経のかわりに父の好きな演歌や洋楽をBGMに
父はギターやハーモニカが得意で、私が物心ついて初めて聴いた洋楽は父が弾くベンチャーズだった
そしてジャイアンツファンだったから、会場を飾るのはオレンジ色をベースにしたお花で
晩年はあまり試合は見ていなかったけど、若い頃は、私たち兄妹が皆野球嫌いになるほどの熱狂っぷり。私の本名はジャイアンツに因んだ名前だ（ジャイ子ではないです念のため）
そんなことを、葬儀屋さんとの打ち合わせで話していた

当日、斎場に着いて父と対面
亡くなってから葬儀までの日数があいてしまったため、遺体が傷まないためのエンバーミングという処置をしてもらった。おかげで綺麗な姿で再会することができた。
お顔も髪も綺麗に整えてもらって、少し若返っていた

こじんまりとしたお部屋、オレンジを基調にしたお花がとても綺麗
あっ、巨人軍のテーマ曲流れてる・・・笑

お葬式というよりお別れ会みたいな、和やかな雰囲気で葬儀が始まった

湯灌から納棺の儀、粛々と進んでいく
が、ずっと巨人軍のテーマ曲（闘魂こめて）が繰り返し繰り返し流れてる

あれ・・・演歌や洋楽はいつ流れるのかな、まさかずっとこの曲かな
しかしここでスタッフさんにサブちゃんはどうしたと言ったところでもう今更だよな、もういいや・・・と諦め

延々と流れる巨人軍のテーマに乗り着々と旅支度が整ってゆく父。
会場を飾っていたお花も全て棺に入れたところで、葬儀屋さんからサプライズ

お皿に盛り盛りに盛られたパイナップルが登場
「お父様の大好物だと伺いました。どうぞ、お父様のまわりに散りばめてあげてください」

ジャイアンツのマスコットキャラクターやチームのマークがプリントされた、小さな旗みたいな爪楊枝まで用意してくださった

なんということだ・・・

打ち合わせの時に父とのエピソード話を訊かれて、
わりとろくでもないことばかりやらかしていた父だから、ろくなエピソードないんですよね・・・と「数字家パイナップル事件」をほんの少し話したのだ。
長年にわたり我が家では「パイナップル」が禁句になっていたくらい酷い喧嘩だったのだが・・・葬儀屋さんにはどのように伝わっていたのだろう

みんなであの日の喧嘩を思い出しながら、笑いながら、
ジャイアンツの楊枝を刺したパイナップルで父を飾った
この日、パイナップル戦争が終結した

そして最後にもうひとつサプライズ
ジャイアンツのメガホン型にラッピングされた花束を用意してくださった・・・胸の上に乗せた

ジャイアンツカラーの花とジャイアンツのマスコットキャラとパイナップルに包まれ、父は旅立ちました。
こんなにジャイアンツ推しになるとは思ってなかったしパイナップルも一緒に持っていくほど大好物ではないよね・・・・ごめん父・・・

だけど、笑顔に溢れた、我が家らしいお見送りができたと思う


お父さん
エアコンの効かないタンクローリーに乗って真っ黒に日焼けしながら汗まみれで働いて
私たちを育ててくれてありがとう
お父さんが教えてくれた家族の絆、これからも大切にしていきます
たくさんの愛をありがとう
お母さんと仲良くね


最後まで読んでくださった方、いらっしゃるかどうかわかりませんが
ありがとうございました

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