つかんだ砂は投げつけてやれ
お気付きの方もいるかもしれないがカレーが好きだ。
私の母が作るカレーはバー●ントの甘口を用いたポークカレーだったので、自分で作るようになってからも母のカレーに倣っていたし、それが世間の常識だと思っていた。
しかし、親方と一緒に暮らし始めた頃、「うわ!なにこの黄色いカレー!?」と驚かれた。
親方の実家はS&Bの中辛派だったのだ。
結婚すると「今まで触れたことのなかった文化」に触れることになり、お互いの今までの生き方やこれからの生き方や意思や好みを尊重しながら新しい家庭の文化を作ってゆくのだけども、どうしても親方家のカレールウを受け入れられなかった。苦くて辛くて苦手だった。
しかし親方は、甘口で真っ黄色のカレーは苦手だと言う。私の母さんのカレーを否定するのか。私たち、カレーの方向性の違いで離れ離れになってしまうのか。そんなのいやだ。
結果、親方にはS&Bを諦めてもらい、私は甘口を諦め、我が家ではバー●ントの中辛が定番になった。肉は両家とも豚肉であったから、そこは大丈夫だった。
余談だが、北海道出身の父親は、横浜に出てきてから初めて、肉の入ったカレーを食べた。
北海道にいた頃は肉じゃなくてチクワだったから、都会ってすげえなハイカラだなと思っていたのだが、のちに、北海道特有の文化だと思っていたチクワカレーは、家庭の事情で肉が入れられなかった代用品だと知って、ちょっとショックだったそうだ。
閑話休題。
そんな無難なカレーが普通だったある日。私のカレーライフを変えるレシピに出会う。
たけだみりこさんの『極楽ゴハン』というレシピ漫画が大好きで、そこに載っていた「中近東風カレー」が、「切って揉んで寝かして煮込む」だけ、という嘘みたいに簡単そうなものだったので試してみた。
※切った玉ネギ・ピーマン・鶏もも肉・にんにく・しょうが
トマト水煮缶・カレー粉・ガラムマサラ・塩・サラダ油を鍋に全部投入して揉み込んだ後、
30分〜一晩寝かせたのち、蓋をしたまま中火で30分くらい煮込んだら出来上がり。
できた。
食べた。
なんじゃこりゃーーーー
お母さん、人は誰しも人生に一度はジーパン刑事になってしまうものなのですね。
・・・・なんじゃああこりゃああああ
今までのカレーに対する概念が覆された。
目から鱗、鱗からジーパン刑事。なんじゃこりゃぁ
程よい酸味、スパイシー、鶏肉ほろほろ、玉ねぎの甘さ、ピーマンのアクセント。
全てが初めての体験。めちゃくちゃ美味しかった。
バー●ント以外のカレーに目覚めた瞬間であった。
ほどなくして、当時好きだった田島みるくさんの漫画でもカレーのレシピが掲載され、それにもチャレンジ。
手羽先とトマトとなんやかんやを煮込んで、隠し味にレトルトのLEE×20を入れると言うやや乱暴なものであったが、「骨つき肉の骨から出る旨味」と「辛いカレー」に目覚めた瞬間であった。
そしてそして、みるく先生のアシスタントおぐちゃんから「ケララカレーうまいよ」と教わる。
「スパイス」に目覚めた瞬間であった。
そこから「手羽先と揚げナスのカレー」が私の定番カレーとなるのだが、子供たちに言わせるとこれが「我が家のオフクロの味」だそうだ。
昔テレビで見た「スパイスの秘密」という番組で得た知識によると
・フレーバー嗜好学習
スパイスの匂いは「美味しかった」という記憶として脳に残り、
その匂いを嗅ぐことによって「美味しかった、また食べたい」と繰り返してしまうのだ。
ご近所から香るカレーの匂いで「うちもカレーにしよう」と思ってしまうのはこのフレーバー嗜好学習によるものだという。
・β-エンドルフィン
「辛味」は味覚ではなく「痛み」である。
その痛みを麻痺させるために分泌されるのがこのβ-エンドルフィンであり「辛い」=「幸せ」と感じさせてしまう脳内麻薬である。
フレーバー嗜好についてはなるほど、と思う。
脳内麻薬については、そうか、辛いのが好きな人はマゾヒストなのか・・・という結論に。知らんけど。
カレー狂発症初期はまだ子供が小さいということもあり、
自宅で自分好みのカレーをたまに作る程度であった。
初めてわざわざ食べに行ったお店のカレーはおそらく、2010年に行った横須賀海軍カレー本舗の「よこすか海軍カレー スペシャルチキン」である。
前後するが、おそらく初めて食べたライブハウスのカレーは2009年、渋谷B.Y.Gのグリーンカレーだ。
追い討ちをかけるようにこの頃、ハマノヒロチカ氏と出会う。
カレーブログ「ステキ伽哩のさんぽはステキ」の情報量の多さ、氏のカレーにかける情熱たるや、足元にも及ばないのである。
カレー熱をこじらせたのはこのあたりからだと思う。
外食といえばカレーばかりになった。
家族の食事とは別メニューで自分用に朝昼晩カレーを作るようになった。
カレーのことをもっと知りたい、と思うようになった・・・。
次回予告「カレーマイスターになった話。」
私の母が作るカレーはバー●ントの甘口を用いたポークカレーだったので、自分で作るようになってからも母のカレーに倣っていたし、それが世間の常識だと思っていた。
しかし、親方と一緒に暮らし始めた頃、「うわ!なにこの黄色いカレー!?」と驚かれた。
親方の実家はS&Bの中辛派だったのだ。
結婚すると「今まで触れたことのなかった文化」に触れることになり、お互いの今までの生き方やこれからの生き方や意思や好みを尊重しながら新しい家庭の文化を作ってゆくのだけども、どうしても親方家のカレールウを受け入れられなかった。苦くて辛くて苦手だった。
しかし親方は、甘口で真っ黄色のカレーは苦手だと言う。私の母さんのカレーを否定するのか。私たち、カレーの方向性の違いで離れ離れになってしまうのか。そんなのいやだ。
結果、親方にはS&Bを諦めてもらい、私は甘口を諦め、我が家ではバー●ントの中辛が定番になった。肉は両家とも豚肉であったから、そこは大丈夫だった。
余談だが、北海道出身の父親は、横浜に出てきてから初めて、肉の入ったカレーを食べた。
北海道にいた頃は肉じゃなくてチクワだったから、都会ってすげえなハイカラだなと思っていたのだが、のちに、北海道特有の文化だと思っていたチクワカレーは、家庭の事情で肉が入れられなかった代用品だと知って、ちょっとショックだったそうだ。
閑話休題。
そんな無難なカレーが普通だったある日。私のカレーライフを変えるレシピに出会う。
たけだみりこさんの『極楽ゴハン』というレシピ漫画が大好きで、そこに載っていた「中近東風カレー」が、「切って揉んで寝かして煮込む」だけ、という嘘みたいに簡単そうなものだったので試してみた。
※切った玉ネギ・ピーマン・鶏もも肉・にんにく・しょうが
トマト水煮缶・カレー粉・ガラムマサラ・塩・サラダ油を鍋に全部投入して揉み込んだ後、
30分〜一晩寝かせたのち、蓋をしたまま中火で30分くらい煮込んだら出来上がり。
できた。
食べた。
なんじゃこりゃーーーー
お母さん、人は誰しも人生に一度はジーパン刑事になってしまうものなのですね。
・・・・なんじゃああこりゃああああ
今までのカレーに対する概念が覆された。
目から鱗、鱗からジーパン刑事。なんじゃこりゃぁ
程よい酸味、スパイシー、鶏肉ほろほろ、玉ねぎの甘さ、ピーマンのアクセント。
全てが初めての体験。めちゃくちゃ美味しかった。
バー●ント以外のカレーに目覚めた瞬間であった。
ほどなくして、当時好きだった田島みるくさんの漫画でもカレーのレシピが掲載され、それにもチャレンジ。
手羽先とトマトとなんやかんやを煮込んで、隠し味にレトルトのLEE×20を入れると言うやや乱暴なものであったが、「骨つき肉の骨から出る旨味」と「辛いカレー」に目覚めた瞬間であった。
そしてそして、みるく先生のアシスタントおぐちゃんから「ケララカレーうまいよ」と教わる。
「スパイス」に目覚めた瞬間であった。
そこから「手羽先と揚げナスのカレー」が私の定番カレーとなるのだが、子供たちに言わせるとこれが「我が家のオフクロの味」だそうだ。
昔テレビで見た「スパイスの秘密」という番組で得た知識によると
・フレーバー嗜好学習
スパイスの匂いは「美味しかった」という記憶として脳に残り、
その匂いを嗅ぐことによって「美味しかった、また食べたい」と繰り返してしまうのだ。
ご近所から香るカレーの匂いで「うちもカレーにしよう」と思ってしまうのはこのフレーバー嗜好学習によるものだという。
・β-エンドルフィン
「辛味」は味覚ではなく「痛み」である。
その痛みを麻痺させるために分泌されるのがこのβ-エンドルフィンであり「辛い」=「幸せ」と感じさせてしまう脳内麻薬である。
フレーバー嗜好についてはなるほど、と思う。
脳内麻薬については、そうか、辛いのが好きな人はマゾヒストなのか・・・という結論に。知らんけど。
カレー狂発症初期はまだ子供が小さいということもあり、
自宅で自分好みのカレーをたまに作る程度であった。
初めてわざわざ食べに行ったお店のカレーはおそらく、2010年に行った横須賀海軍カレー本舗の「よこすか海軍カレー スペシャルチキン」である。
前後するが、おそらく初めて食べたライブハウスのカレーは2009年、渋谷B.Y.Gのグリーンカレーだ。
追い討ちをかけるようにこの頃、ハマノヒロチカ氏と出会う。
カレーブログ「ステキ伽哩のさんぽはステキ」の情報量の多さ、氏のカレーにかける情熱たるや、足元にも及ばないのである。
カレー熱をこじらせたのはこのあたりからだと思う。
外食といえばカレーばかりになった。
家族の食事とは別メニューで自分用に朝昼晩カレーを作るようになった。
カレーのことをもっと知りたい、と思うようになった・・・。
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プロフィール
HN:
数字9
性別:
非公開
自己紹介:
神奈川在住。
色んな音楽に出会うことに喜びを感じながら、ゆるゆる生活する日々。…でしたが
2010年10月、夫が「ヘマンジオペリサイトーマ」という脳腫瘍で倒れ、摘出手術に成功したものの、高次脳機能障害と視覚障害のため、リハビリの真っ最中。
がんばってます。
色んな音楽に出会うことに喜びを感じながら、ゆるゆる生活する日々。…でしたが
2010年10月、夫が「ヘマンジオペリサイトーマ」という脳腫瘍で倒れ、摘出手術に成功したものの、高次脳機能障害と視覚障害のため、リハビリの真っ最中。
がんばってます。
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